それからは、狙われて、狙われて、流石の楓でも身体が重くなっていた。 どうやら、楓が新撰組の屯所から出てきたことは、噂になっているらしい。 「おらぁっ!」 「…っと!」 ギリギリで刀をかわすも、もう体力は残り少ない。 これで何人目だろうか。 二十人は優に越えている。 周りには、気絶した男たち。 ふと、ポツリと顔に雫が落ちてきた。 「――雨、…?。」 それは次第に大降りになってきた。