――――――…



「………ん。」


楓は静かに目を開ける。

視界に入ったのは、木、木、木。


どうやら、どこかの山らしい。




「なんで……山。」


キョロキョロと辺りを見回すも、人もいなく、道も獣道しか見当たらない。



楓は、地面をトンッと蹴り、木の上に立つ。

これも、軽業師だからこそできる技。



とにかく、木の上から見回すと、ここは山の中腹らしい。

と、いっても、そこまで高い山ではないから、下りるのに時間はかからないだろう。



楓は、木から飛び降り、山を下りることにした。