軽業師は新撰組隊士!




涙のせいで霞む視界。


「…、生きたいっ。」


まだ喜びに浸っていたいの。

生きる喜びに
まだ気づいたばかりなの。


「土方さんとっ、生きて、土方さんと、暮らしたいんですっ。」


死んでもいいと思っていた、愚かな自分。

世の中の全てに嫌われてると思っていた幼い自分。


今だって
愚かで幼いけれど


生きたい。
世の中に嫌われても、私はこの世界が好き。


「……楓。」


泣きながら本音を叫ぶ楓を見て、穏やかに笑う土方。


しかし


「――っ土方さん!」


楓と対峙していた敵は、土方の背後にまわり、斬りかかろうとしていた。


楓は咄嗟に土方を庇う。


敵の刀は楓の刀に当たり、僅かに軌道が逸れたため、
皮一枚斬られただけで済んだ。


そして土方が敵を斬り―――敵は絶命した。