軽業師は新撰組隊士!



いつだって
優しく微笑んで、楓を引っ張ってくれて、

居場所をくれた。


「好きです土方さん。」


温かくて愛しくて
好きで好きで。


「俺も――」


土方は楓の頬に手をそえて、口付けをする。

重なった唇から伝わる体温が、嬉しくて。


(たぶん…、ずっと前から好きでした)


気付いてなかったけど、きっとずっと前から。



唇が離れ、至近距離で土方と見つめ合う。

…が、


「ごほんっ!…土方、楓…。お主ら、我らの存在を忘れてはおらぬか?」


克の声で我に返り、土方からバッと距離をとる。


(うわわわわ!完全に忘れてた!)


一連のことを見られた、と思うと、死ぬほど恥ずかしい。