軽業師は新撰組隊士!



明後日の方向を見ていた楓だが、
みんながギャーギャーと騒いでいるのを聞いて


―――ブチッ


「皆さん…そこに座ってください。」

「じ、嬢ちゃん?どうしたんだ?」

「す、わ、っ、て、く、だ、さ、い。」


堪忍袋の緒がキレた。

たじたじになったみんなは楓の前に正座する。

なぜか鬼一も。


「あ、土方さんはいいです。どうぞお立ちになってください。」


ニッコリと、
満面の笑みでそう言われて、土方はどもる。


「お、おぉ。」


立ち上がって、楓の後ろに移動する。

みんなはそれを「いいなー」と思いながら見ていた。


「はいはーい。質問です、楓。」

「はい、なんですか総司さん。」


正座をしながら手を挙げて自己主張する沖田。



「僕、あなたの上司ですよね?」

「そうですね。」

「じゃあ僕も立っていいですよね?」

「だめですねー。」

「そうですかアハハハ。」

「そうなんですウフフ。」


キレているせいか、完全に自分を見失っている楓。