風が吹く。
沈黙が流れる。
そんな状況が数分間続いて
「…、楓。頭大丈夫ですか?医師を呼んだほうがいいですかね?」
「あ、僕が医師を呼んでくる」
「ちょっと!本当なんですって!信じてください!」
みんなが出した結論は、“楓が壊れた”だった。
(と、突飛なことを言ったのは自覚してるけど…!)
楓は慌てて走り出そうとした藤堂の着物を掴んで止める。
「楓…。」
藤堂は振り返って楓を見る。
「は、はい。」
「僕は、分かってるからな。」
「と、藤堂さん…!分かってくれたんですか!」
「うん。」
嬉しさでパァアア!と笑顔になる楓。
だが
「今壊れたんじゃなくて、もともと壊れてたんだよな?」
「今も昔も正常です!」
一変して、楓は怒る。
そんな楓を見て、藤堂は「アハハハ」と笑いながら逃げ出した。



