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克の後を着いて行って、たどり着いたのは
楓がみんなに軽業を見せた中庭だった。
そこで月明かりに照らされていたのは
「来たか。」
「…土方さん。」
黒髪をなびかせる土方と
「コイツが、犯人だ。」
「………。」
（やっぱり…）
「鬼一さん……。」
濱口鬼一。
その人だった。
楓が名前を呼ぶと、微笑む鬼一。
「久しぶり。柴田。」
それは、いつもと変わりなく、
だからこそ、最初から騙されていたのだと思い知らされる。
鬼一は次に土方を見て
「副長。夜遅くに呼び出されて“楓の噂を流したのはお前だろう”と言われても、何のことやら。」
と、言った。
だが、
その言葉は、土方にとっては想定済みだった。
