楓は自らの目で見たから知っている。
あの“料理音痴三人衆”の作る料理の適当さを。
「ひ、土方さん?あの…お塩をどれだけ入れたんでしょうか?」
恐る恐る聞くと
「塩の入った袋を傾けて……こう、ザーッと。」
「何やってんですか!?」
塩分の過剰摂取!、と隊士の健康を心配してしまう。
「煮物にお塩は一つまみくらいで良いんですよ?」
「……そうなのか?」
今初めて知った、というように驚いた土方。
楓がコッソリ溜め息をつくと、土方がムスッとした顔で
「…、お前がいねえんだから、しゃーねーだろ。俺らだけじゃ無理なんだ。」
と言った。
「ぇぇえ…。出来るようになって下さいよ。」
「無理だな。」
「えー…。」
「だから、待ってろよ。」
「…、はい?」
話の脈絡がつかめない。



