「楓!」
「うぇっ!?」
いきなり話しかけられて跳ね上がる。
見ると、克がお膳の前にちょこんと座っていて、土方は胡座をかいて楓を見ていた。
「え?何、お父さん?」
「何?じゃなかろう。飯が冷めるぞ。」
「あ、ぁあ!そうだよね。土方さん、持ってきてくれてありがとうございます。」
「今はしょうがねぇだろ、さっさと食え。」
その言葉に甘えて、早々に食べることにした。
焼き魚は克に食べさせ、自分は煮物を口に入れると
「っぐ、ごほっ!…え!?辛い!?煮物なのに…。」
塩の辛みが口いっぱいに広がった。
急いでお茶で流し込む。
楓は土方の表情をうかがって
「あの…もしかして、今日の料理当番って……。」
と、聞くと
土方は淡々と
「俺らだ。」
と、答えた。
(やっぱり―――!)



