楓は安堵したようにふぅ、と息を吐く。 いざという時には脇差しを使わなくてはならないかと覚悟していたからだ。 「あ、あの……。」 「ん?」 声がしたので振り返ってみると、先ほど男に絡まれていた女の子がいた。 どうかしたのか、と尋ねると 「助けていただいたお礼に何かしたいのですが……。」 そう言われて 自分がお腹を空かせていたのを思い出したので 「じゃあ…、餡蜜、奢ってくれません?」 と、頼んでみた。