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「楓、僕と試合しません?」

「…、嫌です!」


あの日から、鬼一は関わって来ず、
やはりあの考えは思い違いだったのか、と思ってホッとしていた楓だが


「えー、なんでですか…。」

「何でも何も…絶対負けちゃうじゃないですか!」

「負けると分かっていても、売られた勝負は買うのが武士です!さあ、道場に行きましょう!」

「えぇぇえ!?」


ホッとする暇もないようだ。

楓は沖田に引きずられながら、道場へと連れてこられた。

すると


「お、おい…アイツ来たぜ。」

「あの噂…本当なのか?」


道場で鍛錬していた隊士たちがざわついた。


(え?何?――噂?)


楓にはなにがなんだか分からない。