最初に会ったとき
変な女、と思った。

思いっきり肌を露出した、奇っ怪な服をきた、ちょっと生意気なガキ。

次に会ったときには男装して、人を助けていた。


そして、コイツの軽業を見て、鳥みたいだと思った。

大空を飛ぶ、自由な鳥。



「いつか、飛んでいってしまいそうだな。」


俺は楓を床に寝かした。
そして


「…、いなくなるなよ。」


頬に、口付けをした。

――いなくなるなよ、本当に。


弱いのに、気丈にふるまう強さに
何かを諦めているのに、すがりつくしぶとさに
あまり人を頼らない意地の強さに

俺は、きっと惹かれている。



「―――好きだ。」


頼れ、俺を。
喜んで受け入れてやる。


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