キョウヘイはレンを


抱きしめたまま、


話し始めた。


事故に合う


直前の事から。






「俺、通りの向こうに


 レンに似た奴を見つけたんだ。」





「わたし?」



「そう。まあ人違いなんだけど。


 で、俺はレンを追いかけ

 
 道路へ飛び出す。


 そこへ来た車にぶつかったんだ。」



「うわー・・・。」



「で、そこからが本番。


 痛いのと世界が回っているのと


 よく分からなかったんだが、


 車にぶつかった瞬間、


 無くしていた記憶が


 すべて流れ込んできたんだ。」



「・・・。」