「「え?!キョウヘイ泳げないの?!」



少し、前を歩いていた


ミユとユウキが一斉に振り返った。



キョウヘイは赤くなりながら


「あー、もう!

 お前のせいだからな。」


と、レンの方を向いた。







キョウヘイが可愛いくて


しょうがなかった。




時々、見せる優しさも


ツボだったし。




私にだけ、呼ぶ、


“お前”


それが、特別な感じで


大好きだった。





一緒に居れば、


キョウヘイの好きな


所が、どんどん出てくる。




馬鹿で、泳げないキョウヘイだけど


そこらへんは尊敬できる。




気づくとレンは微笑んでいた。





「お前、何笑ってんのー。」


キョウヘイに“お前”と言われ


突っ込まれる。


「別にー。」


そう言って、


ユウキとミユの方へ


小走りに走っていった。


「ちょっ、待てよー。」


後ろで、キョウヘイが叫んでいた。