キーンコーンカーンコーン


「あっ!私、今日当番だった!先帰るね!」


久保田は、急いで音楽室を出て行った。残された山田と僕は、戸締りをした。


「…山田。」

「なーに、大蔵?」

「さっきから、人の顔見てニヤニヤすんのやめてくれる?」

「だってぇー」


目を細めて、女らしくない笑い方をする山田。

少しは女っぽくしろよな…と心の中でツッコむ。


「だから、何だよ!」

「香里とぉー何かあったんですかぁ?2人は、付き合ってるのぉ?」


山田は、ブリっ子のように手でハートを作って、楽しそうに笑った。


「付き合ってないし。」

「でも、大蔵は香里の事好きだよね?顔に出てますよー」


思いっきり予想的中されて、顔が真っ赤になってしまった。


「相談くらい乗るぜッ☆お嬢さんッ♪」

「お嬢さんって…俺、女じゃないし。」


小さく溜め息をついた。