それを欝陶しいと思わない辺り、大概あたしも雅樹さんに魅かれてるっていう確固たる証拠なんじゃないかな。








そんなわけで、雅樹さんとあたしの交際生活は始まったのでした。
雅樹さんは今日も、元気にウチのクラスにやって来やがっ………失礼、いらっしゃる。


「皐月、帰るでー!」


始めの頃はその大声に何事かとびっくりしていた級友達も、今では、「皐月、お迎えだよ」って平然と対応する。
それだけじゃない。
雅樹さんは、教室を出る時からあたしの手を繋ぐから、後輩や同学年や先輩は勿論、先生にまであたし達の関係が知れ渡ってしまい、今やすっかり冷やかしの対象だ。
しかも雅樹さんはその冷やかしに対して「羨ましーか?羨ましーやろー」とか言って煽るもんだから、もう、後ろから蹴飛ばしたくなる。
蹴飛ばしたくなるけど、雅樹さんはあたしの手をがっしり掴んで離してくんないから、あたしはいよいよ為す術がない。





ダメだ…完全にちゆさんのペースだ…。
いや、ちゆさんのペースに巻き込まれるのはいいんだけど、ちゆさんは兎角目立って目立ってしょーがないため、いつもとばっちりまで受けてしまうのはどうにかなんないのでしょうか?





END.