リキのバカぁ……。 なんでよ。 なんで、あたしを置いていっちゃうの!? リキの部屋に行くと、荷物は片付けられていて、 元々シンプルな部屋は、かなり殺風景になっていた。 カチャ。 扉が開き、リキが入ってくる。 「リキ!ひどい……どうしてあたしに何も言ってくれなかったの?」 「ごめんな。花梨に言ったら、決心鈍りそーでさ」 そう言って笑うリキは、 付き合い始めた1年半前よりも…… 更に大人っぽく、かっこよくなっていた。 リキは…… 明日から、 ニューヨークへと、旅立つ。