隣のナイト幼なじみはヤンキー

とっに手すりを掴んだら、あたしの手から何かが、宙を舞うのが見えた。


それは……リキにあげようと思ってたもの。


スローモーションのように見えたのに、あたしの体はピクリとも動かない。


それを、ただ目で追うので精一杯だった。


そして……すぐ近くで、物が割れるような大きな音が響いた。


カシャーン!!


お弁当を入れていたミニバッグから、赤と青の包みが飛び出て、バラバラに階段を転がり落ちていく。


ナプキンをしっかり結んでたから、幸いおかずが散乱したりはしなかったけど……。


「……っ」


リキにあげようと思ってたのに……これじゃ、あげられない。


多分、今ので蓋が開いて、中身がぐちゃぐちゃになってる。