「……帰るっ」


立ち上がって玄関に向かうあたしを、桜太が追いかけてくる。


「悪かった!あーいうからかい方は反則だよな!?兄ちゃんが悪かった!!許せ、花梨~っ」


桜太はあたしの頭や肩、背中をなでてくる。


「桜太のせいじゃないよ。気にしないで」


「そんな風に言われっと、余計気になんだろ~!?ハッキリ言ってくれよ」


「だから桜太は悪くないんだってば……悪いのは、あたし」


「悪いのは、あたし!?うぉっ、わかんねー。頭わりーんだって、細かく説明しろ?その、涙のワケはなんだぁ?気になるっ」


「だから……」