隣のナイト幼なじみはヤンキー

「坂部さんっ、やめてぇ!!」


「アイツら、ジャマ。見てろよ……」


アイツら!?


掴まるには頼りないけど、シートベルトを握りしめながら、坂部さんを見ると、


進行方向にいる、2台のバイクのことを言っているようだった。






さっき遠くに見え隠れしていた赤いテールランプふたつは、


車じゃなくて、並列走行しているバイクだったみたいで……。


しかも蛇行運転しながら、あたしたちの行く手を遮っていた。


「危ないからっ。ぶつかったら大変!」


あたしの忠告なんて聞かずに、坂部さんはバイクに向かって、突っ込んで行った。


「キャーッ!!」


あたしはギュッと目を閉じて、大きな声を上げた。