「リキ~!」


リキの部屋に入ってすぐ、入口を向いて立ってたリキに抱きついた。


あたしのぶつかる勢いに、ビクともしない。さすがリキだよね。


「……どした?やけに積極的じゃん」


「だって……最近のリキ、なんかよそよそしいし。カテキョのときだって、勉強だけ教えてすぐに帰ってくし……」


甘い雰囲気に全然ならないんだもん!


「……そりゃな、花梨の親がいるウチで、なんもできねーし」


「そうなの?」


リキに抱きついたまま、軽く見上げて首を傾げる。


「当たり前。花梨の父さん怒ったら怖そーだし。ま、ウチほどじゃねーけど」


ウチのパパが言ってたけど、リキのパパは元ヤンなんだって。


しかも学生時代は、かなりの有名人だったとか。


パパも、そんなリキのパパを慕ってヤンキー時代があったみたいだけどね。