「モンスター・ミストを破壊してほしい」
彼女――ルティナは、ごく普通の日常会話的な流れで、私たちにそう言ってきた。
「えーっと……じゃ、まあ、そういうことで」
私も同様に、ごく普通の自然な動作で踵を返したのだが、即座に背中の外衣(ローブ)フードを掴まれていた。
「おい待て。いきなり何故逃げるんだ」
「や……だって、何言っているのかよく分からないし」
「あんた、あたしの言っている意味が解らないのかい?」
その言葉に対して、私は深い溜息を吐かずにはいられなかった。
「じゃなくて、出来もしない依頼はお断りってことなのよ」
「そんなことはないだろう。これはあんたたちには簡単なはずだろ?」
さも当然といった表情で、ルティナはさらりと言ってのける。私は眉根を寄せた。
「何で私たちが?
私たちは一般的な、ごく普通の巡礼者なのよ。破壊できるわけないじゃない。
そんな簡単に壊れるものならば、他の誰かが既にやっているわよ」
彼女に向かってそう訴えた。ルティナは考え込みながらも、そんな私をまじまじと見詰める。
「確かに一見そう見えるが……しかし、あの結界を破ったのはあんたたちだろう?
ただの巡礼者がそんなことをできるはずがない」
「あ…」
私は先程の出来事を思い出した。
そういえば、アレックスがいとも簡単に破ってみせていたのだ。
彼女――ルティナは、ごく普通の日常会話的な流れで、私たちにそう言ってきた。
「えーっと……じゃ、まあ、そういうことで」
私も同様に、ごく普通の自然な動作で踵を返したのだが、即座に背中の外衣(ローブ)フードを掴まれていた。
「おい待て。いきなり何故逃げるんだ」
「や……だって、何言っているのかよく分からないし」
「あんた、あたしの言っている意味が解らないのかい?」
その言葉に対して、私は深い溜息を吐かずにはいられなかった。
「じゃなくて、出来もしない依頼はお断りってことなのよ」
「そんなことはないだろう。これはあんたたちには簡単なはずだろ?」
さも当然といった表情で、ルティナはさらりと言ってのける。私は眉根を寄せた。
「何で私たちが?
私たちは一般的な、ごく普通の巡礼者なのよ。破壊できるわけないじゃない。
そんな簡単に壊れるものならば、他の誰かが既にやっているわよ」
彼女に向かってそう訴えた。ルティナは考え込みながらも、そんな私をまじまじと見詰める。
「確かに一見そう見えるが……しかし、あの結界を破ったのはあんたたちだろう?
ただの巡礼者がそんなことをできるはずがない」
「あ…」
私は先程の出来事を思い出した。
そういえば、アレックスがいとも簡単に破ってみせていたのだ。