ちなみに言っておくが、私は男子というものに嫌悪感を抱いている。

あのどうにも自意識過剰な振る舞いが不愉快でならないのだ。


女子にも同じことが言えるのだが、そこまで嫌いになれないのはやはり同性であるからだろうか。


悶々とそんなことを考えていると、目の前の男子が唐突に私の手を握った。

予想し得なかった行動に、ぞわりと鳥肌が立つ。


「離せ」

「君にお願いがあるんだ。君にしかできないお願いが」