「この文を書いてる人を知らないか」


文芸部の部室の隅っこで黙々と文章を書いていると、突然そんな声が耳に飛び込んできた。

声の主は先輩方に意見を求めている。


先輩方の中にも、とても素敵な作品を完成させる方々がいる。

きっとその方のことだろう。


…そう思っていたのだが、どうも雲行きが怪しい。

先輩方が私の方を指差しているように思われるのだ。