完膚なきまでに理想を打ちのめし、夢を砕く。 その文章は理想を愛する僕にとって寒気がするほど恐ろしく、視界が滲みそうになるほど胸を憤怒で熱く滾らせるものだった。 しかし、この作者なら僕の願いを叶えてくれるのではないだろうか。 最大の敵は最大の味方になり得る。 最強の現実主義者は時に屈強な存在ではあるが、予想外の事態に弱い。 そこをうまく突けば、この作者も理想主義者となるに違いない。 僕はそう考えた。