言った瞬間机上にどさりと置かれた物を、私は微動だにせず見つめていた。 身動きをとらないのではない、とれないのだ。 いくら私でも驚くさ。 ――目の前にある物が、見たこともない量の札束だったならな。 「…何だ、これは」 「札束だ。見ればわかるだろう?ちなみに本物だ、偽札なんて一枚たりとも入っていない」 一番上にあった紙幣を陽の光に透かして確認したが、どうやら本物のようだ。