幸いといっていいのか、2人で布団に潜った夜は特に何もなかった。それこそ、静かに寝息をたてていただけだ。 「…はあ…。またか」 そんな声が洩れた。また、月曜日にリセットされて、退屈で疲れる毎日が始まるからだった。このうえ致し方ない。 夏美の寝顔を見て少し考え、 「朝ご飯作ってから起こすか…」 そう結論を出した。 夏美の安堵したような寝顔に とてもじゃないが 起こす気には、なれない。 いわゆる天使の微笑みに 類似する。