俺は香とわかれたあと、家に帰る気分でもなかったので、 そこら辺の街を歩いていた。 正直、自分には彼女など出来ない気がした。 香は冷めてる感じだが、お人よしだし妹思いだから、彼女はできると思っていた。 俺には、顔目当ての女しか近寄らないだろう。 思考がネガティブになってきてしまったせいか、ひとけのない路地裏に足を踏み入れていた そんな自分に引いて、思わず踵を返そうと――― 「いやあぁっ!!」