「健斗ってさ〜。過保護だよな」
二人が帰った後に元が呟く。
「そうでもないと思うけど」
「父さんみたい。」
…は?
「奈々ちゃん、健斗の過保護さに苦しくなって逃げ出しちゃうかもよ?」
逃げ出さねえよ。
奈々は俺のコト、大好きだし、俺も好き。
「置いていかれたお前に言われたくない」
「最近、百合冷たいんだよ…」
あっ、ゴメン。
ガチで悲しんでるわコイツ…
「俺も、もう帰るわ」
奈々へのプレゼント探しに行こ。
奈々の欲しいモノがモノじゃなくても、もうひとつ記念になるものをあげたい。
「そういえば、お前にまた浮気疑惑あるぞ。新堂の機嫌の悪さはそれじゃね?」
元がまた誤解されるようなコトしてんだろ。
「サンキュー、健斗。父さんみたいって言ったの取り消す!」
教室から叫びが聞こえた。
俺への腹いせで言ってたんだな。
…父さんみたいって言ったの。

