『優死んじゃったかと思ったもん!!』

「はいはい」

『で、とりあえず救急車呼んだの!!』

「ふぅん」

『いろいろ聞かれて大変だったんだよ!!』

「へぇー」

『聞いてるのお〜っ!?』

「聞ーてる聞ーてる」

『もう〜!!!!』

 俺と駿は、たわいのない会話を楽しんでいた。
 久しぶりだな、こんな話すの。

 駿は放課後いつも俺のお見舞いに来てくれてたらしい。

 嬉しいなぁおい!!



 勿論――

『よっ』

「よう」

 ――チイラも居る。

『生きてて良かったね』

「ははっ、まあな」

 チイラらしい言葉に、苦笑する。

 ああ、俺生きてるんだな。



「あ……あれ……」

 ふと右を見ると目についた物。

 俺を救った、あの本が置いてあった。