「………………ん」

 俺は目を開けた。

 えっと、この独特な匂いは――。

「病院?」

 肩を見ると、包帯ぐーるぐる。
 あれ? 結構重症? とか思ったり。
 うわ、点滴ついてるし……。

 頭を動かし、辺りを見回す。
 ――が、誰も居ない。

 と思ったらタイミング良く

 ガラッ

 誰かが入ってきた。

「あ、駿」

 俺は普通に反応した。
 しかし、駿の反応は普通じゃなかった。

『優ーーーーーっ!!?』

 なんだよ、大きな声出して。

『先生っ!! 優が目覚ました!』

 先生って、誰?
 答えはすぐに見えた。

 白衣を着た、いかにも医者って感じの人が入ってきた。

『目が覚めたのかね!?』
 医者がすごい勢いで聞いてきた。

「あ、はい」

 俺はまたしても普通に答えた。

『君、一ヵ月程眠っていたんだよ』



 …………絶句。