――と言う事で今に至る。

「駿、お前だって……死にたくないだろ?」

 駿は黙っている。

「生きてんだからよ……」

 駿は

『……………よ…』

 言葉を発した。

『死にたくないよっ――!!』

 そして駿は泣き崩れた。

『優とっ、生きたいよっ……』

 駿……。

「ああ、ああ」

 それでいいんだ。
 生きてるんだから、死にたくないに決まってる
 ――それで、いいんだ。

『お兄ちゃん……』

 チイラは俺の後ろで心配そうにしている。

「もう、こんな事しようとするなよ」

『でも――』

「俺だって生きたいけど、お前が居なきゃ意味が無いだろ」

『ゆっ……う……!』

「はいはい」

 仕方ない奴だな。
 俺は駿の髪をくしゃくしゃと撫でた。


『で、どうするの?』

 チイラが口を開いた。

『うーん……』

 駿は首を傾げた。
 だが俺の考えはもう決まっていた。

「俺が――」

『え?』

「俺が、悪い心を取り除く」