「『………』」

 数秒間、沈黙が続いた。

『あ……』

 チイラが沈黙を破った。

『もしかし……て……』

 チイラが呟く。

「どうした?」

『お兄ちゃん今、“これ”やって――ないよね?』

 “これ”
 こっくりさんを消す方法。

「まさか……やったら死ぬかもしれないんだぞ」

 俺は無理に笑う。

「『………』」

 でも、心配。

 チイラを見ると、不安気な顔をしてドアの方を見ていた。
 駿が来るのを待ち侘びているかのようだ。

 あ〜〜〜〜っ! もう!!

「行こうぜ!! 駿のとこ」

 俺は勢い良く立ち上がった。
 肩がズキズキしている。

『でも――』

 チイラは躊躇していた。

「ここでウジウジ悩むくらいなら、行こう!!」

『…………うん』

 俺とチイラは、駿とこっくりさんが居る部屋へと向かった。
 ドアの前まで行くと、駿の声が聞こえた。

『こっくりさん、こっくりさん。貴方の心、この宮下駿が貰――』

 ――あの馬鹿ッ!!!

 バァン!!!!

 俺はドアを開けた。