その言葉にまた寒気がした。

「……どういう事だよ?」

『あのさ、こっくりさんって一種の降霊術なんだよ』

「降霊術……?」

 初めて聞く単語に首を傾げる。

『んー、まぁ簡単に言うと霊を呼ぶってことかな』

 霊を、呼ぶ……?
うーん、良く分からん。

『一人こっくりさんでは、北の窓を開けてそこからこっくりさんを呼び出した訳』

「ああー……」

 なるほど、その為に開けたのか。
 ……ん? 待てよ。
 俺はその窓を開けっ放しで来たんだよな。
 って事は

「開けっ放しの窓からこっくりさんは勝手に帰るんじゃないのか?」

『ブッブー。もう、頭悪いなぁ』

 余計なお世話だ!
 俺はオカルトマニアじゃないんだよ!!
 つか成績は一応俺の方がいいのに……。

『いーい? こっくりさんは帰らない。例え窓が開いていても』

 じゃあやっぱり俺の部屋に居座ってるのか?
 なんか、面倒臭い事になりそうだな……。

『しかもこっくりさんは無理矢理呼ばれた上に、そのままほっとかれたんだ。相当怒ってるかもよ……』

 あまりに駿が深刻そうに言うので、何だか怖くなってきた。
 霊が怒ったらどうなるんだ?
たたられたり、呪われたりするのか……?