俺はこっくりさんにたくさんの質問をした。

俺の担任の女教師は何歳なのか、
明日の夕飯は何か、
あの芸能人の胸は本物なのか、
親父の誕生日はいつだったか、
俺の祖母は何歳で死んだのか、……

 どうでもいいような質問にも、こっくりさんは的確に答えてくれた。

「……へぇ、俺のばあちゃんって82歳で死んだんだぁ」

 別にどうでもいいけど。

『優ー! 優ー!!』

 携帯から駿の声が聞こえた。

「なんだ?」

『もう三時半だよー、そろそろ止めて寝よう?』

 本当だ。
俺は一時間半も質問し続けていたのか。
 明日も学校あるんだもんな……。

「そうだな、じゃあもう電話切るか」

『うん、また学校でね〜!!』

 電話が切れた。

「もう……止めなきゃな……」

 携帯を閉じ、再びパソコンに向かった。
 眠気も限界に来ているし、明日の事も考えればもう寝なければならない。
しかし……

「もう少しだけ……やるかな」

 もっとおもしろい質問はないかな。
もっと、驚くような。

「もう少しだけ……」

 何を質問しよう……
何か……おもしろい質問…


 この時に止めちゃえば良かったのに。
変な欲を出すから……

 あーあ、ほらね。

 もうこっくりさん、怒っちゃった。