―戦況は最悪だった…
何千、何万の妖を星雪と晴明様が相手をする。
朱雀はあたしを護るので手いっぱいなのだ。
「この地に這う邪の影りよ…
我が言霊は真なりて
偽り為らず
…払い給え…世者神々…
…払い給え…世者神々…」
浄化の力よ!!!
真っ白な光が雛菊から
弾け飛ぶ。
この力さえ不完全なのだ。
「…はぁっ…はぁっ…」
呼吸も苦しくなる。
力の消耗も激しい……
でも…こんな所で
へたばるわけにはいかない。
誰ひとりも欠けるわけにはいかないから…
「舞え…扇凛白虎」
「波立て!!水紋玄武!」
「爆ぜろ!!永炎朱雀!!」
風、水、炎が…
闇を払い消し去る。
全員の体力ももう限界だった。
―バタンッ
「星雪!!!」
星雪が地面に横たわっている。何が起きたのか分からなかった。
妖が倒れた星雪に襲いかかる。
「させません!!!」
―ザシュッ
晴明様の風が妖を
辛うじて切り裂いた。