今思えば当時の俺は馬鹿で無能なませガキだ。いや、エロガキというのが正しいかも知れない。


中途半端なポジションを得るくらいなら、1か0かの大勝負に打って出た。


我ながら本当に男らしいと思う。人は無謀かと言うだろうが、俺からしたらかなり男らしい行動だった。


無論結果は言わずもがな。


彼女からしたら、俺は相当気持ちが悪い子供だっただろう。


仲の良かった女の子がいきなり「身体は女の子だけど、心は男の子なんだ」とカミングアウトされ、挙句の果てに異性として好きだと告げられたのだ。


告白が後十年遅れていたら、間違いなく警察のお世話になっていた。


気持ち悪がられるのは承知の上。きっと彼女はそんなことをしないだろうけど、変な噂が流れるのも覚悟していた。


でも彼女は、すんなりと受け入れてくれた。


告白は失敗したが、俺が男の子であることには納得して受け入れてくれた。


罵られるかと覚悟していたが、彼女は「そうなんだぁ」とあっけらかんと答えたのだ。