電気が消え、エレベーターが止まった。


緊急停止装置が働いてしまったのか、下降の途中で完全に止まっている。


「え? ちょっ! なんで!?」


「落ちついて竜司くん。安全装置が働いただけだから」


混乱する竜司くんを落ちつかせて、エレベーターの緊急連絡ボタンを押す。


が、一向に反応しない。


あれ? このボタンを押せば外と繋がるんだよな?


再度ボタンを押すが、それでもなんら反応を示さない。


「……まいったなぁ」


「まさか俺達、完全に閉じ込められたってことか?」


「まあ、そうなるのかな」


時間が経てばその内動き出すかも知れないと楽観視していたが、どうやら竜司くんは深刻に事を考えているようだ。