で、受かった。俺マジすげぇ。


この時ばかりは本気で夢の中の出来事だと疑い、漫画やアニメみたいに自分の頬を無意識のうちに抓っていた。


でも条件があった。


そりゃそうだ。そんな簡単に雇ってもらえるとは思っていない。


店長の出した条件は、一年間雑用として働くこと。


所謂修業というやつだ。これに耐えることが出来れば晴れて正式に採用される。


マミさんが俺のことをニートと言ってからかうのは、この条件があるからだ。


こんにゃろう。雑用とはいえ一様社員登録はしてるんだぞ。まかり也にも社会人だぞ俺は。


給料は雀の涙だけど……。


そんなわけで、本業だけではとてもじゃないけど生活出来ないので、シフトが入っていない時を見計らい『スピカ』でバイトをして生活費を稼いでいる。


まあそんなわけで、学生時代の友人とは完全に離れてしまったので友達がいないのだ。


店の人とは良い関係を築いてはいるが、あれは友達というより同僚なのでノーカン。