雰囲気に酔い始めると、いよいよ太一のピークがやってきたようだ。


一気にテンションがガタ落ちし、真っ赤だった顔色は徐々に青ざめて行く。


回りの奴らに聞いたら、最初から飛ばしまくっていたらしい。いい加減ペース配分というのを覚えろよこいつは。


気持ちが悪いと連呼すると、トイレに籠りもったいない行為を永遠と行っている。


こりゃもう無理だな。仕方ない。


結局一次会が終わる頃には、太一は生きる屍と化していた。


他の皆は二次会に行く気満々であったが、流石にもう太一にそんな体力も気力もない。


こうなると太一の下宿先を知っている俺が、彼を送り届けなくてはならなくなる。


もう何度も同じことを繰り返しているので俺も諦めた。ペースを考えない酒好きほど性質が悪いものはない。


世話代としていつものように太一の財布から少し多めに金を出して、二次会に向かうメンバーを見送り俺達は帰路につく。


体格差があるから担ぐことも出来ず、太一に頑張って歩いてもらうしか他ない。