どう足掻いてはマミさんには敵わない。手を出すわけにもいかないし、怒りを抑えるしかないのだ。


いつか絶対ギャフンと言わせてやる。絶対にだ!


「でも、ほんまよう耐えたなぁ。以前のゴウやったら頂いちゃってたやろ?」


「……約束ですから。というか、褒められても嬉しくない」


あんだけドエロいことをされたのに、見事に耐えきった俺はノーベル平和賞を受賞できると思う。


千秋はまだ心の整理が出来ていないから、絶対に手を出すな。


マミさんに言われたその言葉を何度も頭の中で唱えて、あの地獄を乗り切ったのだ。


ここで千秋に手を出したら、千秋を傷つけてしまう。一生もののトラウマを植え付けてしまう。


そう思えば、理性と本能のギリギリの争いだったが、なんとか耐えることができた。


俺は千秋のことが本当に好きだから。心底惚れてるから。


千秋の中で決着がついて、その答えを千秋本人から聞くまでは、絶対に手を出さないと決めたのだ。