この前だって夜のネオン街に女性と二人っきりで消えて行くのを見かけたばかりだぞ。


ヘラヘラ笑いながら告白したって、全然一途な想いなんて届きゃしねえっての。


「なんだかんだでお前とは腐れ縁だしな。隠すのはお前に悪いと思って言ってやったんだ、ありがたく思え」


「寧ろトドメを刺されたぞ」


「刺してやったんだ。それぐらいの復讐はいいだろ?」


ふっと鼻で笑ってやると、太一は困ったように机に突っ伏した。


やっぱ太一は良い奴だ。


まだ俺のことを諦めてはいないようだけど、決して竜司くんのことを否定しなかった。


ロクでもない男だとか、付き合うのは止めた方がいいとか、そういう相手を蔑む発言は一言も発していない。


だから俺も、なんだかんだでコイツと一緒にいるのだろう。


告白してくることだけを除けば、本当に良い友人なのだけど。


「鬼! 悪魔! 男女!」