誰がなんというと俺は男だ。


それは竜司くんも認めてくれているし、それを踏まえた上で再度告白してくれた。


凄く嬉しかった。涙がこぼれそうになるほど嬉しかった。


俺みたいな中途半端な人間でも、認めてくれる人がいるのだと自信にもなった。


でも、俺は竜司くんの期待に応えることは出来ない。


俺は女になることは出来ない。


女好きの竜司くんが、プラトニックな関係を続けられるとは思わない。


今はいいかもしれないけれど、時が経ってくれば竜司くんも次第に求めてくるだろう。


その時、現実を突き付けられることになる。


男にも女にもなれない中途半端な人間が、如何に面倒で退屈であるのかを。


「……覚悟を決めろ」


捨てられる覚悟を。諦める覚悟を。