お前が消えたら俺は千秋の前で発狂してしまう。そんな姿見られたら、ドン引きを通り越して殺意にまで飛び級しちゃうじゃないか。


頭の中の小さな俺は、俺の必死な説得にも首を横に振って、縄を首にかけようとしている。


だからダメだってば! お前が俺の心の拠り所なんだから!


嗚呼ダメだ。頭の中の小さな俺の決意は固い。変なとこで頑固だなこいつ。


このままじゃヤバイ。


頭の中の小さな俺が死んでしまうのもヤバイが、頭の中の小さな俺という存在を本気で信じている俺自身も色々とヤバイ。


ていうか誰だよ頭の中の小さな俺って。よくよく考えたらただの妄想じゃないか。


とりあえず一人ノリツッコミが出来るまでは落ち着きを取り戻したようだ。頭の中の小さな俺も案外役に立つじゃないか。


「悪ぃ、キモイよな。忘れてくれ」


帰って泣こう。馬鹿な俺を馬鹿にして泣き明かそう。


もう千秋は『スピカ』には来ないだろうな。ハハッ、マミさんにまた小言を言われてぶん殴られるぜ。