中学に入っても一向に生理の兆しがこなかった俺は、もしかしたらこのまま一生こないんじゃないかと淡い期待を持っていた。


背は女子に比べたら高い部類だし。胸だって全然ないし。


心が男だから、女としての発育が妨げられているに違いない。だから俺には生理がこないのだ。


そう信じていたのだが……。


結果、俺が正真正銘“女”であることが証明されたわけだ。


いくら心が男でも、身体は女。


どんなに男らしく過ごしていても、まるで俺の努力をあざ笑うかのように、身体は女として動き始める。


気持ち悪い。気持ち悪くて吐き気がする。


女として生きることを否定しながら、男として生きることができない現実を、身を持って体感した。


俺の身体さえ俺自身を否定しているようで、悔しくて涙が零れた。


……俺の過去はそろそろ終わりにしよう。