「千秋が気にしなくても俺が気にすんの!」


いくら身内だからって、お客様の髪形を可笑しくしてしまったら店の評価にも繋がってしまう。


そんな末恐ろしいギャンブルを、店長が許してくれるわけが……。


「いいよいいよ。やっちゃえよ」


あっさりOKが出ました。あれー?


「なんでいいんすか!? この前は絶対ダメって言ってたのに!」


「俺からの御褒美だよ。嫌な顔せず進んで雑務をこなすからな。友達限定でカット解禁だ」


「本音はなんっすか?」


「お前が慌てふためく姿が見たい」


どうして俺の周りは、こう根性がひん曲った輩しかいないのだろう。


唯一の救いは千秋だけだ。千秋さんマジ天使。


でも本音はどうあれ、こうしてチャンスは貰えたことは素直に嬉しいっちゃ嬉しいですけど店長さん。