まるで他愛のない日常会話のように、さらりと流した彼女。


こちらは心臓バクバクで一世一代の覚悟でカミングアウトしたというのに、彼女が余りにも普通にしていたから逆に面喰ってしまった。


もしかしたら俺は、彼女のそんな性格に憧れを抱いていたのだろう。


何事にも動じない強い心。


憧れと恋愛感情がごっちゃになって、告白してしまったのだ。


ちなみに彼女とは、今でも良い関係を築いている。


望んではいなかった親友のポジションに、ものの見事すっぽり収まってしまったというわけだ。


話を戻そう。


中学生になった俺は、地元の有名私立中学に進学した。


今流行りのお受験戦争に参加した形だが、決して親が無理やり受験させたとか、周りが皆受験するからとか、そういった理由ではない。


私立中学の進学は俺が自ら望んでことだった。強い想いを持って挑んだこと。