『すごくいいよ! 設定はありきたりだけど夢があって面白い。気持ちの変化も自然だし、キュンとするポイントもいい。キスシーンもリアル感が出てるよ』
徹夜で描き上げた32ページの読み切りネーム。編集部にファックスしたら、すぐに小林さんから電話がきた。
『だけどさ、このベッドシーンもう少し雰囲気よくできない? ここでギャグはいらないよ』
「ギャグなんかじゃないです。リアルを追求したんです。そこは変えたくありません」
『……杏先生、変わったね。いい意味で。譲れない部分は今みたいに言ってね』
「はい!」
原稿は会議に回され増刊ではなく本誌に掲載が決まった。