「私自身が望んで来たのよ。別に騙されてついてきたわけじゃないし」


「……それは漫画のために……ですか?」


「それ以外に何があるのよ!?」



皆吉は私の言葉を聞くと大きくため息をついて、会田さんを鋭い目付きで睨み付けた。



「まだいたのですか? 邪魔だということが分かりませんか?」


「んだよ。元カレ? よく分かんねーけど修羅場に巻き込まれるの嫌だからバイバイ」



そう言って、会田さんはホテルから出ていった。



「あーあ……おいしいネタが」



ポツリと呟いた私の言葉は皆吉の耳にも、はっきりと届いていた。