「杏さん、そこまでです。帰りましょう」


「え?」



いきなり後ろから現れた皆吉。驚いている私の肩を抱いて、会田さんから引き離した。



「皆吉、ちょっと待って!」



まだ写真撮ってないし!それにもう少しネタを収集したいのに!



「杏ちゃん、誰?」


「あなたに教える必要はありません。どうぞ、お引き取り下さい」


「待てって言ってるでしょ! あんた、いつからつけてたのよ?」


「居酒屋を出てからです。だから言ったでしょう。今のあなたは綺麗すぎるから、このようないかがわしい場所へ連れ込まれると」